|
実践故事成語
|
|
「元述、もう出発するのかい」 「…阿志泰…様……」 「たしかに文秀を守ってほしいとはいったけど、別にそんなに急がなくても」 「………」 「いまいち反応がよくないなぁ。人生前向きにいかなくては、ね」 「………」 「そういえば、出発前に一応お前の体の調整をしておかねば。 たどり着く前に腐り落ちては意味がないし、おもしろくないし」 「………」 「包帯を取って…と。ひどいな、唇がもう既に…あ」 「………何か」 「ひとつ聞いていいかい？」 「何を」 「やっぱり歯は寒いのか？」 「は？」 「いや、故事成語に『唇亡びて歯寒し』というものがあって、やはり実際唇がなくなれば寒いものなのかな、と」 俺が怒りのあまりに発狂するより早く、将軍にこいつを殺してもらいたい！ そう強く心に切望する元述であった。 おわり(040524) |
蛇足 「唇亡びて歯寒し」の意味はこちらを。 出した者勝ちネタ。 |