△月◆日晴

　朝。二日酔い気味なのか、少々顔色がよくない。水の大量摂取もいいが、シジミ汁の方がいいと聞いた事もある。それにしても二日酔いは毎度の事なのに、何故懲りないのだろう。ともかく午前中いっぱいはずっとその調子で、ましてやまともに朝議に参加できるわけがない。案の定ほとんどの時間居眠りに費やしていた。
　昼食時、ようやく多少気分が良くなったようで粥を中心とした軽食を食べることができた。自業自得ではあるが回復できてなによりだ。
　午後、部屋にこもって書類決裁をせねばならないはずなのだが、結局部下を捕まえ将棋をさしていた。将棋は戦争を模した遊びであり、ひいては戦時に於ける戦略戦術を磨く助けになると言い訳できるものの、所詮は現実逃避。そんなことばかりやっていては不毛だというのに。ああ。
　夕暮れにもなれば完全にいつもの調子が戻り、夕食は肉中心の献立。元々好き嫌いが激しい所はあるがこれでは栄養が片寄るばかりだ。もっと野菜を沢山摂取した方がいいのだが。つけなくても良い酒まで飲み、その勢いか街へ出ていってしまった。これではきっと明日の朝も二日酔いで不機嫌な顔をしているに違いない。
　毎回思う事だが、彼は軍の頂点に立たれる方だというのに、どうしていつもこうなのか。もう少し自覚して人の模範となるように振る舞っていただかねば。