＜***元述誕生月企画***元述からの返事＞








「華曙さん。ふかふかのマフラーを、ありがとうございます。」




包帯で表情は判りづらいものの、はにかむ元述。
「こんなにも暖かい贈り物を、私なんかに贈って頂けて…嬉しいです」
首に巻いたマフラーに顔を埋めて、ふかふかの感触を楽しんでいます。
死した身であっても、人の温もりというものは身に滲みるようです。
「お♪いいモノしてるな！」
それを見つけた文秀が、寒そうに身を縮こませ腕を組んで近付いてきました。
「暖かそうじゃねえか。それ、寄越せ」
「嫌です」
手を差し出した途端、身を引きプイと顔を逸らしてにべもなく断る元述に、
文秀の表情が歪みます。
「手前には、必要ねえだろ」
「これは私が華曙さんから頂いたものです。例え将軍でも、お渡し出来ません」
噛み付く文秀に、言い切る元述。
「悔しかったら、貴方も誕生日を祝って貰ったらどうです？」
「ケッ！」
面白くもなさそうに、文秀が背を向け去っていきます。
「ぶぁっくしょいッ！」
「！」
盛大なくしゃみが、元述を振り向かせました。
見ると、文秀が寒さに背を丸め、鼻を啜りあげています。
かなりこの冬の寒さが、堪えている様子。
仕方なさそうな嘆息を一つ零し、元述は近付くと、首に巻いていた
マフラーの半分を文秀に巻いてあげました。
「…やらねえんじゃ、なかったのか？」
残りも奪おうと、引っぱりながら尋ねる文秀に、
「少しだけお貸しするだけです。風邪をこじらされても困りますからね」
奪われないようそれとなく手で押さえて、元述がそっけなく答えます。
「あっそ…」
諦めたのか引っ張るのを止め、文秀は大人しくなりました。
ふかふかのマフラーにくるまれて、暖かいのかじっとしています。

口では悪態をつきながら。

元述は、どうやらこの冬を暖かく過ごせそうです。
























	

		

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お誕生月企画へのご参加、ありがとうございました！