蛇足、または微妙に腐れネタ。後日談。

その日初めてフェイが我が家にやってきた。
ヒュウガは彼の監視が天帝陛下から下された今度の役目だと言って、
いつもフェイの話をしているが、そんなときはいつもうれしそうで。
どうやら、ヒュウガは彼に夢中らしい。
前世がどうの、人間の未来がどうの、いろいろ複雑みたいだけど、
どんな子なのか、私もとても興味がある。
早速食事に呼んでみたら。

「オレ、こんなにうまいごちそう初めて食べたよ！！
ユイさんって本当に料理が上手なんですね！
ホント、先生がうらやましいよ。こんなに美人だし。
このパンも手作りなんですか！
ふわふわして、甘くってうまいなぁ〜、 この卵の焼いたヤツ、え、スクランブルドエッグ？
バターの風味が効いててすんごくおいしいし、それにこの…」と、賛辞のオンパレード。
しかもその喜び方がすごく素朴で、本当においしそうに食べてくれる。
とても、新鮮。
とても、うれしい。

「フェイって本当に良い子ね」
彼が帰った後、ヒュウガに向かって言う。
「そうでしょう！」まるで自分が誉められているかのように、満面の笑みで返すヒュウガ。
「だけどね、ヒュウガ」私もにこやかにほほえみながら、釘を刺すのを忘れない。
「彼、まだ、未成年よね。あんな純朴な子に手を出したら…
回し蹴りだけじゃすまなくってよ」
「え、あ、いや、その、いくら何でも、そんな」
珍しくとまどうヒュウガの反応がまた面白くて。
フェイには「一万年の輪廻転生の恋人」がいるというけれど
せめて、今だけはヒュウガの味方をしてあげたい。
彼のあんな表情なんて滅多に見ることはできないから。

ＥＮＤ

ゼノコーナーへ戻る
玄関へ戻る