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◆金冠の竜の国。 ロマニア国王に盗賊カンタダから金の冠を取り返すよう依頼される。 長い洞窟を通ってようやく到ったほこらの中の、 旅の扉と呼ばれる瞬間移動装置を使って ロマニアという新たな大陸の一国に足を踏み入れた一行。 城にたどり着き王様に謁見するが。 「よくぞ きた！ ゆうしゃオルテガの うわさは わしも ききおよんで おるぞよ」 カンニングペーパーを見ながら台詞を棒読みしているのは金海のチビ領主である。 「たのみが ある。 カンダタという者が… この城から 金のかんむりを うばって 逃げたのじゃ。 もし それを 取りもどせたら そなたを ゆうしゃとみとめよう！ さあゆけ！ムンスよ！」 「…盗賊というと、やっぱり…アイツらだよな」 「…おそらく」 盗賊達のアジトであるシャンパーニュの塔へ足を向けた途上で、 散々てこずった、とある盗賊団を思い浮かべる文秀と元述。 「…ほっとくか」 「え？」 「あんなクソ生意気なチビの為に、あの馬鹿みてぇに強い奴等と戦うのは あまりにも割が合わない」 「そうですよ、天下の将軍に向かってあのように無礼な口をきくような、 領主の道にも劣る者の為に何かしてあげるというのもねぇ」 「お前が言うか、元暁」 元・悪領主である元暁の言葉に素早いツッコミを入れる文秀。 「…うーん」 「阿志泰、何か不服か？」 「いえ、私も楽な方がいいんですけど、なんだか、後ろ髪引かれるんですよね」 「冠ぐらい奴等にくれてやれ。さっさと次に行くぞ」 そうだ、金の冠ごときであの女と事を構えたくはない。 そう考えて、ふと、文秀は感傷的な気分になる。 あの女とうりふたつの異母姉妹である彼女も、この世界のどこかにいるのだろうか、と。 所かわってシャンパーニュの塔では。 「む、文秀の奴、こ、来ねぇ、な」 「わぅぅ…」 「金の冠でおびき寄せる手はずだったんだけどなぁ」 「けっ、ファッキンだぜ」 「俺達の強さにションベンちびっちまったんじゃねーの」 「太儒、お前また何かボケでもかましたか」 「いつもながら失礼な奴だな、白龍。私がいつそのようなことを…」 背後で呑気な雰囲気を醸し出している各人をしり目に、 怒りのあまりか肩を震わせている女性が一人。 「まさか、よりによってすっぽかし……いや、あいつなら有り得る！ あんなやつが暗行御史、いや、勇者だなんて！！」 義憤に燃える盗賊のリーダーである洪吉童、 もといカンダタの声は天にも届いたとか届かなかったとか。 蛇足：実際ダンジョンに行かなくてもクリアは可能。 金の冠を手に入れても王様に渡さなくとも可（笑） また、素直に返すとロマニア国の王様になれる特典が。 (040922) |