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◆仲間との邂逅（その１）一番強い奴。 ルイーダの酒場にて戦士を仲間にする。 「ここはルイーダの酒場。旅人達が仲間を求めて集まる出会いと別れの酒場よ。 何をお望みかしら？て、えらく老けた１６歳ね」 「ミス黄…悪かったな。俺だって本当はこんな事したかねぇんだよ」 老け顔の１６歳こと、文秀ははじめからやさぐれモードである。 ここまで来る道すがらどうにか自らを納得させたものの、 やはり、なぜ自分がこんな事に…という思いが払拭できない様だ。 「ま、ともかく、旅の仲間３人をこちらの名簿から選んでちょうだい」 「３人？魔王を倒しに行くってのにたった４人でやれってのかよ」 「あんたの父親は１人だったらしいけど」 「だからそれは俺の父親じゃ…くそ、何を言っても無駄か」 ようやく現実主義の文秀もこの世界のしくみが理解できたようだ。 少なくとも、この世界の一定の約束事に反抗しても仕方がない、という事が。 気を取り直してミス黄に差し出された名簿を手に取る。 「…何よりも強い奴だよな…俺も剣術には多少の自信はあるが、 もっと強い奴がいれば楽になるな。 て、うわ、こんなにも登録されてるのか」 名簿は戦士の項だけで一冊の本になっており、 開くとぎっしりと登録者達のプロフィールが載っている。 しばらく文秀はページをめくっていたが、 飽きたのか、面倒になったのかカウンターに名簿を投げ出す。 「ミス黄、年齢容姿性格性別趣味等一切問わないから、戦士で一番強い奴を選んでくれ」 「ここでは私はルイーダって名前なんだけど…ま、いいわ。 一番強い奴、というと彼かしら。呼んでくるわね」 しばらくして。 「お待たせ〜」 「私を選んでいただき光栄至極です！！」 文秀の目の前に現れたのは、極短く切り揃えた髪をしっかりと整え、 左耳に金の輪っかのピアスをつけた背の高い青年だった。 「って元述！！…えーと、女戦士、そうだ、山道、もとい春香がいるだろう」 登録されている中に元述がいるのなら、自分の山道であった春香もいるはず、 お供が暑苦しい野郎であるよりは、少々頼りなくとも、 もっと若くて綺麗な女の方がいい！と 先ほどの言葉を完全撤回してミス黄、もといルイーダに詰め寄るが、 「残念ながら今こちらに登録されているメンバーは聚慎崩壊前の人員ばかりなんだって」 即座に返事をされてしまう。 「なんだその設定は！？」 今にも噛み付きそうな勢いで怒鳴る文秀だったが、 「『天の意思』だそうです」 と、至極冷静に横から元述が説明する。 その回答にしばらく苦虫をつぶしたような顔で固まっていたが、 「……ともかく！」 立ち直ったか、開き直ったか、それともあきらめたのか、 文秀は元述を仲間にすることにした。 戦士ヲンスル（性格：命知らず）を仲間にしますか。 はい。 「あーあー、確かに聚慎崩壊前の戦士の中ではお前が最強だよな！」 「お褒めにあずかり…」 「誉めてねぇ、ヤケだ、ヤケ。 どうせいずれもむさ苦しい野郎どもばっかりなんだろ。トホホ」 肩を落しつつ文秀は再び名簿に目を通しはじめた。 蛇足：DQシリーズの名前はかな四文字しか入力できない。 そこで苦肉の策として「ウォ＝WO＝を」ということに。 仲間の初期の性格は登録時に与えた力、知力等の種の配分によって決定される。(040528) |